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月岡グリムの影絵ブログ

中国の影絵4~皮影戲の流派(一)華南地方

世界の影絵

0201.09.10更新

中国の影絵4~皮影戲の流派(一)華南地方

中国は国土が広いため、地域によって文化が異なり、影絵芝居もまた地域ごとに異なる流派を形成した。音楽や歌い方、方言、人形、材料、制作工程など、地域ごとにそれぞれの特徴がある。

代表的な流派としては、冀南皮影、湖北皮影、北京皮影、唐山皮影、山東皮影、山西皮影、陝西皮影、隴東皮影、海寧皮影、陸豊皮影、四川皮影などの影絵芝居が知られている。各地域の皮影戲について、まずは華南地方から紹介していこう。

陸豊皮影戲 (広州皮影)

中国の影絵芝居は北部と南部で大きく分かれるが、陸豊皮影戲は南部にあたる広州と潮州の中間に位置する陸豊で発展した皮影戲だ。

陸豊皮影戲は華南地域で唯一残っている影絵芝居であり、中国の三大影絵芝居の一つである潮州皮影戲の遺物でもあり、文化的価値は高い。現在は国家無形文化遺産に指定され、保護プロジェクトの対象になっている。

陸豊皮影戲は民間から生まれて発展し、閩南語系列の方言を用いる。影絵人形の大きさは60センチほどで、牛革でできており、顔がはっきりしているのが特徴だ。宋代に形成された陸豊影絵芝居は、明、清の時代に盛んに行われて普及した。

参考文献

李丹丹. 传统的皮影. 北方妇女儿童出版社, 2017
李跃忠. 中国皮影. 山东友谊出版社, 2013
中国皮影戏入选人类非物质文化遗产代表作名录,搜狐网.2016-01-22
皮影戏,西安文明网.2014-07-09
皮影戏的分类,中国戏剧网. 2014-07-07